阪急阪神リート投資法人のスポンサーは、阪急阪神ホールディングスグループ。関西の私鉄大手2社が合併したグループです。
今やすっかり慣れましたが、昔は、全くカラーの違う阪急と阪神が合併するなんて!とビックリしたものです。おしゃれなイメージの阪急と、タイガースに代表される庶民的なイメージの阪神でしたから。
さて、話をリートに戻します。
同リートの物件は関西中心です。いわゆる「地域特化型」のリートです。HPには、「関西圏の総生産額が世界19位に匹敵」と書かれています。
ちなみに、他リートは東京など首都圏をメインに物件を保有しています。
ポートフォリオのリスク分散として、「地域特化型リートを組み入れて置く」、というのはオススメです。
また、阪急阪神リートは商業施設の保有割合が高いのも特徴です。大阪市内や関西圏の物件が中心で、首都圏などには数物件持っています。
第32期資産運用報告を見て
第32期(2020年12月1日~2021年5月31日)の分配金は1口当たり3,008円。4月から6月に出た緊急事態宣言の影響で、商業施設の営業制限がかかり、賃料収入が減少しました。
特に、「HEPファイブ」のような都市型商業施設やホテルが休業や時短営業など影響を大きく受けたようです。反面、「デュー阪急山田」のような地域密着型商業施設は健闘しました。オフィスでは一部のテナントが退去。
「ポストコロナ期に向けての成長戦略」として、コロナ禍で健闘した地域密着型商業施設を増やし、駅前・駅近の来店型オフィスを検討しているようです。
もう一つ、私が注目した点は、「現行の投資対象アセットタイプに限定せず、新たな対象を探索・検討」しているという部分です。
以前から、総合型リートにしては商業施設の割合が多いと思っていたので、レジデンスを組み入れたらどうかと思っていたからです。レジデンスを入れる場合には、運用方針や規約などを変更する必要があるので、実際に運用開始するにはもう少し時間がかかると思います。
とはいえ、阪急阪神グループには不動産会社もあり、分譲マンションの「ジオ」ブランドもあります。賃貸マンションにも参入して、リートに物件を売るということは難しくないと考えます。
そして、分配金に関しては。
第33期分配金はコロナ禍の影響に加え、計画修繕費が増加するため、2,890円と少なくなる予定。しかし、第34期は2,920円と上がる予定です。
しかし、第33期にも緊急事態宣言が延長されています。また、リートの物件ではないものの、阪神デパートも阪急デパートもクラスターを発生させてしまってます。この状況を見ると、商業施設はまだまだ苦しい時期が続きそうです・・・・。
ポートフォリオのサマリー(第32期末時点)
保有物件数 31、取得価格合計 1695.3億円。
稼働率(エンドテナントベース)99.6%。
第32期(2021年5月期)の確定分配金 3,008円/口。
第33期(2021年11月期)の予想分配金 2,890円/口
第34期(2022年5月期)の予想分配金 2,920円/口。
2021年8月18日終値現在の投資口価格 162,500円。予想分配金利回り 3.57%。NAV倍率 0.98。